よくある質問

腎臓病に関するQ&A

腎臓が悪いといわれました。どうすればよいでしょうか?
腎臓が悪いかどうかは、腎臓の機能を測定することが必要です。腎臓の機能は、血清クレアチニン値により推定できますが、正式には腎臓の糸球体濾過量(しきゅうたいろかりょう[GFR])を測定します。GFRは血清クレアチニン値と年齢から計算でも求めることができ、eGFRといいます。このeGFRの値と、蛋白尿量から、腎臓病の重症度を下記の表に当てはめることにより知ることができます。
尿蛋白(にょうたんぱく)が陽性といわれました。どうすればよいでしょうか?
尿蛋白は腎臓の予後を決める重要な検査です。尿蛋白は1日量で判断するのが良く、24時間蓄尿して含まれる蛋白の量で判断します。特に24時間蓄尿中0.15g以上で心臓血管病になる確率が上昇します。1g以上の尿蛋白は腎不全になる可能性が高いことが知られています。蛋白尿は通常は検尿試験紙で調べられますが、試験紙では1日尿蛋白排泄量を調べることはできません。
また、尿の濃さにも影響を受けます。濃い尿の場合、尿蛋白が濃縮されて(1+)となりますが、水をたくさん飲まれた後の薄い尿では同じ量の蛋白尿でも(-)となることがあります。したがって、尿蛋白の定量を行うことが重要です。
中山寺いまいクリニックでは、尿蛋白の定量を行い、腎臓病の増悪を防ぎ、心臓病や脳卒中を予防するための管理を行っています。
腎機能が低下しているといわれました。透析を受けないといけないのでしょうか?
腎機能の低下は、現在の腎機能がどれぐらい維持されているかと、どれぐらいの速度で低下しているかが重要です。いずれにしろ、腎臓内科専門医を受診してください。
中山寺いまいクリニックでは、腎機能低下を抑制するあらゆる対策についてご相談に乗ります。
血尿がでているといわれました。どうすればよいでしょうか?
血尿は、腎臓、膀胱(ぼうこう)、そして腎臓と膀胱をつなぐ尿管、さらには膀胱から先の尿道からの出血により起こります。血尿の原因疾患は初回か、持続的に認められるかで異なります。40歳以上で血尿が初めて出た時には、悪性腫瘍を疑い、精査することが必要です。また、尿中の赤血球の形を見ることで血尿が腎臓の糸球体由来かそれ以外かは分かります。糸球体腎炎の場合に糸球体から出てきた赤血球は変形していることが特徴です。赤血球が尿細管で閉じ込められて赤血球円柱として出てくることも腎炎があることを示します。大量の腎臓からの出血では、コーラ色の尿となることがあります。
腎臓が悪いといわれましたが、どのように治療するのでしょうか?
腎臓病の治療は腎炎の場合とそれ以外で異なります。腎炎の場合には、原疾患を治療することをめざします。(詳細は、次のQ&Aをご覧ください。)それ以外の腎障害は、生活習慣の改善、血圧のコントロール、脂質異常症のコントロール、高尿酸血症の治療、蛋白摂取制限、糖尿病の場合には血糖コントロールを行います。生活習慣は、禁煙、塩分の制限、体重の適正化、運動、食事の制限などを行います。
腎炎にはどのような種類があるのでしょうか?
慢性腎炎は様々な病理型があり、その病理型、臨床症状によって治療法が異なるため、腎生検(じんせいけん [針で腎臓をついて組織を取る検査])により、病理型を診断する必要があります。腎生検が必要な腎疾患は、尿蛋白が多い(1日0.5g以上)場合、蛋白尿と血尿が両方ともみられる場合です。大量の蛋白尿(1日3.5g以上の蛋白尿と血清アルブミン値の3.0g/dL未満の低下)がでるネフローゼ症候群という疾患もあります。
腎炎の治療はどのように行われますか?
全ての腎炎が治療の対象ではありません。治療が必要な腎炎はネフローゼ症候群をきたす腎炎、急速に腎機能が低下する腎炎、並びにIgA腎症です。これらの腎炎は副腎皮質ホルモンや免疫抑制薬を使用して治療をします。腎炎の治療は長期間続きます。副腎皮質ホルモンを使用した治療は少なくとも初期に4週間程度の入院が必要です。その後も2年間程度の治療が必要となります。
慢性腎臓病で血圧の治療を受けていますが、血圧はどの程度が目標となるのでしょうか?
血圧は腎臓病の治療の上で、最も重要なポイントです。腎臓病の方は130/80mmHg以下を維持することが腎機能の低下を防ぎ、心血管疾患の発症を抑制するために必要です。塩分制限や体重を減らすことは血圧を低下させます。生活習慣を改善しても血圧が低下しない場合には、薬剤により血圧を低下させます。また、高齢者の行き過ぎた降圧(降圧薬を使用して110mmHg未満にする)は腎機能を悪化させる可能性がありますので注意が必要です。

糖尿病に関するQ&A

糖尿病の気があるといわれました。糖尿病の診断はどうなっているのでしょうか?
糖尿病は大変恐ろしい病気です。血糖がどの程度であるかを調べる必要があります。ブドウ糖を飲んでいただき、血糖がどの程度上昇するかを測定することにより、正確に糖尿病の状態を把握することができます。
  1. 随時血糖が、200㎎/dL以上あると糖尿病と診断します。
  2. 空腹時に126㎎/dL以上あると糖尿病と診断します。
  3. 75gのブドウ糖を飲んで、2時間後に200㎎/dL以上あると糖尿病と診断します。
  4. HbA1cが6.5%以上あると糖尿病と診断します。

一回目の判定で糖尿病と診断されるケース

  • 1から3のいずれかと4がともに認められる場合
  • 1から3のいずれかが認められ、口渇や多飲、多尿など糖尿病の典型症状や糖尿病性網膜症がみられる場合

二回目の判定で糖尿病と診断されるケース

  • 一回目では血糖値のみが糖尿病型。二回目で血糖値、HbA1cのいずれか(若しくは両方)が糖尿病型だった場合
  • 一回目ではHbA1cのみが糖尿病型。二回目で血糖値が糖尿病型だった場合

血糖値、HbA1cのいずれかが糖尿病型だったにもかかわらず、上記以外ケースで糖尿病と診断にいたらなかった場合は「糖尿病疑い」とされます。糖尿病疑いの人は3~6か月以内の再検査が推奨され、その時点で再度判定することになります。

糖尿病の治療はどのようにするのでしょう?
ここでの回答は、インスリン抵抗性による2型糖尿病についての答えです。糖尿病は血糖が上昇している状態ですので、血糖を正常化することが最も重要です。血糖は食事によって上昇するので、食後の高血糖を抑制することを目標としなければなりません。このためには、先ずは生活習慣の改善が重要です。禁煙、定期的な運動、十分な睡眠をとり、ストレスを減らすことが重要です。食事は決められた量を守り、食べ過ぎに注意が必要です。このような、生活習慣の改善を3か月行っても、血糖が低下しない場合には、経口糖尿病治療薬による治療を開始することになります。また、血糖がとても高い場合には、インスリンによる治療が初期から必要となることもあります。
経口の糖尿病薬はどのように使うのですか?
肥満がある糖尿病患者の方には、ビグアナイド類が使用されます。インスリンの分泌を促進する薬剤としては、スルホニル尿素類、速効型インスリン分泌促進薬、DPP-4阻害薬があります。インスリンの効きを良くする薬としてチアゾリジン誘導体があります。また、グルコース吸収阻害薬としてαガラクトシダーゼ阻害薬があります。これらの薬を単剤、または組み合わせて血糖をコントロールします。

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